平成28年4月 園便りより

 天気にも恵まれた第67回卒園式  おめでとう!
子ども達を送り出すのは寂しいけれど、学校で社会でそれぞれ大きく羽ばたいてくれると信じています。

  先日元気いっぱいに、第67回卒園式を終え、きく組が卒園していきました。
 向洋保育園で経験した様々なことを基礎に、小学校生活を楽しんでくれると願っています。

 さぁ新年度! 平成28年度のスタートです。
 これまで向洋保育園は国が定めた保育制度の中で認可保育園として歴史を刻み、時代の変化と共にいろんな変化も経験しました。
 私が、保育園に携わるようになって30年余りですが、その間でも随分変わったなぁと感じているところです。

 以前は保育園を運営するお金は「措置費」という名称でした。
 措置とはとても強い言葉で、行政に決定権があって、この保育所に入園させなさいっていう言葉です。 今のように保護者が保育園を選ぶ事ができず、行政が入園させる園を決定する仕組みでした。
 今では、保護者が保育園を選択することが当然で、お金の名称も委託費(市町村が地域の子どもの保育を保育所にお願いするためのお金)と変わりました。

 お金の使い方も措置費の場合、年度内に使うお金で3月に予算が余ると困るので、何でも良いから使い切ってしまうなんて事をやってました。
 同じ福祉施設の老人ホームでは3月は毎日高級果物が食事に出る… という話しも良く聞いたものです。  福祉関連の業者さんも予算が余っていたら買って下さいっていろいろ持ってきてたものです。

 今では無駄なお金を使うこと無く、年度をまたいで安定した運営ができるように福祉施設の会計制度も変わりました。
 お金だけで無く、以前は行政がどの保育所に入園させるか決定権を持っているので、福祉施設が宣伝をすることは禁止されていました。

 もう随分前の話ですが、県内の若い保育園長と保育所のポスターを作ったのですが、県から宣伝行為なので好ましくないと指導されたこともありました。
 今でも福祉施設が宣伝を行うのは主旨からしておかしいところですが、情報公開ということで園での生活を積極的に利用者に知らせることが大切だと行政の考えも大きく変わってきています。
 しかし、都市部では認可保育所の定員が足りず、 保護者が保育園を選択し利用する事が出来なくなっているようで時代に逆行しています。

 保育園入園枠を広げるため大分市でも家庭の一室で三人ほど乳児を預かる保育ママや、商店や会社が経営する保育所など驚くほど沢山の保育施設を新たに認可しました。  預かってくれるならばどんな所でも良いのでしょう。それでは枠は確保できても質は望めません。

 利用者が選んでくれて安定した運営が出来ている保育所と、努力せず常に満員の保育所では似ていても大きく違います。 過去、公立保育所のサービスが低かったのは児童数に関係なく職員の待遇が安定していたからです。
  もちろん子どもの成長を手助けする保育という仕事が好きな方も沢山いますが、残念ながら、同じ給与なら子どもは少ない方が仕事が楽だと考えてしまうのです。

 今年度から向洋保育園は今までの保育所機能に加え幼稚園的機能を持つ保育所型認定こども園として動き始めました。
 日々の保育を見つめ、上質な保育教育を利用する皆さんに提供出来るよう努力しますので、よろしくお願い致します。