平成24年4月 園便りより


春の風に誘われてお散歩に! 平岩・蔵富と結構歩いて… 
      石灰石鉱山のごまがら山と菜の花をバックに写真を撮りました。 津久見っていいよね。


 先日の第63回卒園式は晴天に恵まれた素敵な卒園式になりました。
 おうちの皆さん、そして先生方に祝福され元気いっぱい卒園していきました。 園長として子ども達を無事に送り出す事が出来て嬉しく、また寂しくも感じた卒園式でした。 昭和20年代に、何度か今回卒園児数を上回る年がありますがおよそ60年ぶりという32名の卒園児。 今回は人数も多いのですが、涙もろい子どもが多く思い出の言葉の場面では号泣するお友だちもいてとても感動的でした。
 卒園児を送り出し新年度を迎え、どのクラスも新しい生活に対する期待でいっぱいです。特に、年長となったきく組はこれから一年のいろんな行事を想像し、すでにやる気満々とても頼もしく見えます。 
 家庭の子どもの数が多くても少なくても子どもはその家その地域の宝に変わりないのですが、子どもの数が少なくなり、親子のつながりが密になりすぎると、子どもに振り回されたり、子どもから逃げられず煮詰まってしまいには育児放棄してしまうケースもあるようです。 子どもにとっても、親の過干渉が自立を遅らせ、感情のコントロールが出来にくい状態になる可能性があります。 昭和の時代、きく組は園のトップという意識が強く、ちょっと負けん気の強いすみれ組の子がいたりすると、きく組全体で押さえつけていました。家庭でも姉弟が多く、年齢による上下関係がしっかりありそれに、クラスの仲間意識も今より強かったような気がします。 現在の子ども達はまわりの雰囲気を感じ取る事が下手で、他児に関心が薄く自分の要求が強い傾向がありますが、新しいきく組はクラスの仲間意識を高め、一致団結し太田先生と楽しく有意義な保育園生活を過ごしてもらいたいと願っています。
 子どもは家庭と地域の宝だと書きましたが、この30年間で子どもは母親の所有物に近づいているというお話を聞きました。 家制度を大切にしていた時代、離婚した母親は大部分子どもを置いて出ていましたが、これには経済的理由だけでなく、子どもは母親のものではなくその家の一員だという考えだったのでしょう。核家族化が進み、女性の経済的自立などで現在離婚した場合ほとんど母親が親権を持つようです。
 母子の関係が深いのは良い面だけでなく、子どもの自立心の低下や、引きこもりの増加、果ては母親による虐待などマイナス面も大きいのかもしれません。 家族単位の子どもが少なくなると、どうしても過干渉・過保護になりやすく、愛玩動物的に子を金髪に染めたりピアスを開けたりする親も見かけますが、自己が未発達な子どもに対して首をかしげてしまいます。 親の子どもではなく地域の子どもなのだと気づいて欲しいですね。 子育ては母親だけでなく父親、家族そして地域や保育園と共に楽しめればと願っています。