平成23年11月 園便りより


どのプログラムも楽しかったですが、なかでもすみれ・きく組59名で大迫力だった組体操。 格好いいねぇ。

 十一月になりずいぶん風が肌寒く感じられるようになりましたが、先月は秋晴れのもと、素晴らしい運動会を開催することができました。 これも保護者の皆さんから設営や片付けのご協力を頂いたお陰だと感謝いたしております。
 運動会開始前に東日本大震災で犠牲となられた方に対し黙祷を行い哀悼と震災復興のメッセージを携えた風船を飛ばしました。子ども達の元気な姿とカラフルな風船、それに青空のコントラストがきれいすぎて、悲しみを克服するための風船なのにと思うと一層思い深く感じられました。 そのメッセージには「普通と感じられる日々の大切さを改めて感じました」「子ども達が健やかに成長することを願っています」「日本全体でこの大きな試練を乗り越えましょう」等々書かれていて、皆さんの心のこもった言葉に、目を通させていただいた私は目頭が熱くなりました。 私たちは、同胞の悲しみを共有し、共にこれからに向かって努力できると確信しています。 
 北アフリカでは独裁政治を続けていたリビアで革命が起こり、解放されたと喜ぶ人々の様子がニュースで伝えられていますが、後味の悪い結末だと感じたのは私だけでは無いと思います。 そういえば数ヶ月前、テログループ アルカイダのビンラディンが米軍の急襲によって殺害された時にもアメリカ市民が街へ繰り出して喜びを表現していましたが、これもいただけません。 進展の無い北朝鮮拉致問題に対して、拉致された人を救出するために特殊部隊を投入すれば…と思うほど短気な私ですが、どんな悪人でもそれを殺して喜ぶという気持ちにはなれません。 さらにある国で、狭い路地でひき逃げされた女の子を十人以上の通行人が見てみないふりで誰も助けなかった場面を写した防犯カメラの動画が放送されて驚きましたが、他の人の痛みが判るこの国に生まれて良かったと感じています。
 ところで、震災で発生した原子力発電所事故でまき散らされた放射性物質の対応と処理が大きな問題となっています。 東海村JCO事故で死亡した作業員の治療記録で放射線の怖さを強く感じ、人体に影響を与える量、さらに遺伝子に影響を与える量が明確に判っていないところがさらに不安をかき立てます。しかし、福島のものはすべて危ないとか、福島のがれき処理は行わないという考えは間違っていると思うのです。放射性物質で汚染された物の処理は国が責任を持てという声も聞きますが、国とは私たちのことであって自分と関わりのない赤の他人ではないのです。 政治家も「汚染物質の仮置き場」と、その場しのぎの発言ではなく、生活に影響を与えにくい深い地下にゴミ捨て場を早急に作り、復興のスピードを上げないと時間ばかり経ってしまいます。 目に見えない放射能は幽霊や化け物に近い恐怖心を私たちに与えます。でも、危険だから、自分の近くでなければ良い… という考えには、そうなのかなぁと思ってしまいます。
 さて、運動会後、修園旅行や給食室が作ったお弁当を持って散歩など、秋を満喫していますが、お楽しみ会の劇や遊戯の練習もそろそろスタートします。 寒くなりますが体調に気をつけて元気に登園してください。