平成23年7月 園便りより
いいね!いいね! とても気持ちよさそうな子ども達の顔を見ているだけで涼しくなります。
五月は水不足が深刻だったのに、梅雨入りと同時に何日も激しい雨が降り続いて極端すぎますね。これも地球温暖化の影響なのでしょうか。 さて、震災後東京へ出張しましたが、節電推進で街の灯りが暗くてこれまでの半分程度に感じられます。地下深い地下鉄や何層にもなっている鉄道ホームのエスカレーターは動いていましたが、暑さが厳しくなるとそれらも停止するのでしょうか。高齢者や身障者、小さな子ども連れには厳しい環境です。 厳しい環境といえば都会での子育ては地方に住む私たちの感覚とずいぶん違ったものになっています。 国が進める新たな保育制度(幼稚園と保育園の統合など)をビジネスチャンスとして一般企業や、儲かりそうだなぁと考えている資産家が保育という分野に興味を持っています。 先日、保育先進事例研修という認可保育園や幼稚園の枠を超えた事例視察に子育て支援センターから職員を派遣しましたが、報告を聞いて驚いてしまいました。 マンションの一室で託児室を始めた子育て経験の(もちろん保育士免許も)無いケースや、月に一度だけは無料で利用できるが二回目からは利用料が発生する、月々五千円の会費制病児保育など、都会の利益追求ならではの仕組みに感心してしまいます。さらに、それらの施設で働くスタッフの賃金の安さ… 東北からスタッフを雇用するという声まで聞こえて、ことわざで、生き馬の目を抜くと言われた都会の凄さを感じます。 これまでの保育制度は保育の質を確保して来ましたが、制度変更によって粗悪乱立を招くのだろうと心配しています。 本来、その子どもの成長を想像し楽しみとして接しなければ、子育てはできないと思うのです。日々短時間で入れ替わる保育担当者と、利益追求が何より大切な経営者という環境では、子どもの育ちは大丈夫かな?と思ってしまいます。 それは、都会に限らず地方でも子ども達と保育士の保育現場を知らない経営者が大きな顔をすると、ちょっと違う匂いのする保育園になるのでしょう。 民営化された保育所に保育経験のない経営者の身内が入り、保育所スタッフは自分の使用人感覚…という勘違いをしている園も中にはあるようです。突然やって来た人にあれこれ指図されてはね… 保育士や園のスタッフが気持ち良く働けない園は子どもの居心地が良いはずありません。 先日、よき相談相手で尊敬していた園長先生が辞められました。園を運営する法人と先生の求める方向がずれてしまったようで、保育現場を知らない経営側の細かな要求に嫌気がさしたのでしょう。 私のように言わば家業としての園長ではなく、保育士からたたき上げた現場主義のその先生を、私は目標にしていたのですが、とても残念でした。 必要なのに居なくなる人、必要じゃないのに来る人… 世の中上手く回らないものですね。 まぁ、こんな事を書いている私自身の評価は棚に上げてってことで…。 暑い夏、節電に気を配りながらも子ども達には出来るだけ快適な環境を、心がけたいと思っています。 |