平成23年3月 園便りより


 真っ青な空 真っ白な雪 みんなが指折り楽しみにしていた雪遊びは好天に恵まれました。
  さすがにきく組はソリの扱いも上手で思いっきり雪遊び体験を楽しんだね。

 
園庭の垂れ梅が満開に、毎年紅い花を沢山つけて春を感じます。
 早いもので3月、今年度最後の月です。 先月は雪遊びや節分など冬ならではの行事を思いっきり楽しむことが出来ました。 とても寒かった今冬でしたが、幸いに雪遊び前日から寒さが緩み、日差しもあり無風の天候で、たっぷりの柔らかい雪という絶好のコンディションでした。
ところで国会では子ども手当てをはじめ、来年度の予算が決まらず先が読めない状態になっています。 本当に子どものための手当ならば、学校給食費の未納や保育料の滞納は無くなるはずですが、そうなっていない状態ですね。
 保育所の制度変更も方向が定まらず混迷しています。 いまの保育制度変更案で幼保一体化が行われると給食が無くなったり、パート勤務ではその勤務時間に応じて例えば週に2日程度しか保育所を利用出来ず、残りは保護者の実費負担の可能性も。「保護者が勤務していないときは家庭で過ごす」もっともなように聞こえますが、そうなるとクラス全員が出席することが無く、集団活動が出来ずに運動会やお楽しみ会等の練習も難しくなります。
 制度変更を進めている政治家には、保育所が子どもをただ預かっているだけではなく、集団の中で成長を手助けする保育を行っているという理解が足りないのだと感じます。 加えて幼稚園と保育所の違いについての報道を見るにつれ、幼稚園は幼児教育を行っているが、保育所は託児だけと言わんばかりで、 情けない気持ちになってしまいます。 認可されている保育園と無認可の保育園をごちゃ混ぜに扱っているからなのでしょう。 それと、幼児期から漢字や英語を習わせるのが幼児教育なのでしょうか? 
 保育という言葉は養護と幼児教育を合わせたものであり、保育所から小学校に就学しても何も心配無く学校生活を送れるのは、向洋出身のこれまでの卒園生を見れば明らかです。なかには、東大をはじめ、難関大学卒の卒園者も沢山いるのです。昭和40年代に比べ、近頃はずいぶん保育園の認知度が上がっていると思っていたのに、いまだに間違ったイメージが多くて残念です。 さて、毎年のことですが3月は保育園長として嬉しく、また寂しい月です。
きく組の皆さんが大きな希望を胸に小学校に就学することはとても嬉しいものですが、毎日顔を見ることが出来なくなる寂しさも強く感じています。
保護者の皆さんの涙を卒園式で見ますが、それはこれまでの我が子の成長を振り返っての喜びの涙であろうと思います。 オムツをしていたあの頃…と思い出すだけで、成長した姿に胸が熱くなるのは保護者ばかりでなく私たち保育者も同じです。子どもを単に預かって収益を上げようとする営利企業と、子ども達の性格や家庭の様子など広く深く関わり、子ども達の幸せをご両親と共に願っている私たちを、同じように扱おうとする保育制度変更案には強く反発を感じています。