平成17年4月 園便りより

 元気良い歌声もみんな揃って歌うのは最後になると思うと寂しさがこみ上げます。
両親揃っての出席も多くとても素敵な卒園式でした。 これからもみんなの成長を見守っているからね。

 先月の二十七日は、第五十六回の卒園式が行われ、元気いっぱい二十九人の子ども達が向洋保育園を巣立っていきました。 家庭で過ごす時間よりも長い時間を保育園で過ごし、なかには六年以上保育園に通ってきた子ども達が卒園してしまいとても寂しく感じ、卒園式での保護者の言葉に涙が出てしまいました。 長く保育園の運営に携わっていると四月が来て夏になり冬が来て、また卒園の時期を迎えるこの一年のサイクルが当たり前のようにも感じられますが、それぞれの子ども達とその保護者にとってはかけがえのない一年なのだとあらためて感じました。 どんなにもう一度時間をさかのぼって去年と同じようにと思っても出来ないことですから、新しい担任と保育室で、一日一日を大切にした保育に新たな気持ちで取り組みたいと思います。
 さて、近頃ニュースではニッポン放送の株をライブドアが買い占めて…という企業買収の話題が連日報道されています。 何百億という金額と共にいろんな株取引用語が出てきて実感のない話に思えてしまいます。 会社の資金調達のために発行した株券によって自らの経営権が危うくなってしまうなど、会社経営の世界も大変ですね。 ただ感じることは、株の売り買いのテクニックの話で、なんら生産したりサービスを提供したりしているわけではなく実態のないまさにバブルの話のように思えるのは私だけではないのでしょう。 株券の価値も日々変化して、いったい物の価値ってなんなのだろうと思ってしまいます。 みんなが欲しいと思えば価格は高くなり興味がなければ安くなるのですが、儲けが少なくてもやりたい仕事、対価はなくとも充実した気持ちなどが仕事を行う上で大切なのではと思っています。技術開発での達成感やサービス提供した相手からの感謝の言葉など、単に儲けや給料とは違うもっと崇高なものが仕事にはあるはずだと思っているところです。  私たち保育関係者にとって保育という仕事は、お金で買えない「命」 「成長」というものに携わることが出来ますし、子ども達の仕草や言葉で職員が癒されることも多く、笑い声も絶えません。 まぁ保護者の方々には結構気をつかっておりますが… このような素晴らしい仕事に携われる幸せを再確認して十七年度も元気いっぱい色んな面白い事を考えながら保育を行っていきたいと思います。 どうぞ今年度もよろしくお願い致します。