平成12年10月 園便りより

 秋本番の十月、もうすぐ半袖ともお別れですね。 
 先日、福岡教育大学横山教授のお話を聞く機会がありました。
 子どもの耐性と自主性という観点からの講演でした。
 「耐性」とは困難に直面した場合、それを乗り越える力 ということで、耐性が発達していないと不登校や最悪の場合には自殺という結果になる場合も…というお話です。
 では、どのような場合に耐性や自主性が身に付くのか… 横山先生が永年、耐性・自主性が高いと評価された子どもの母親について調査したところ、子どもに対して家庭内で仕事(お手伝い)を日常的にさせている。 翌日の学校の用意は自分でさせている…。 等々ある程度厳しい母親像であったと、また、学校や地域の活動に積極的に参加しそれらの規則はかなり厳格にまもり、起床・食事・就寝などの時間が毎日ほとんど変化しない。 という調査結果で、これらの母親像は昭和四〇年頃まではごく普通に見られたが、近年その割合は大幅に低下しているというお話でした。 何でも親が用意してあげ、高校生になっても子どもを起こしてあげる。 他人、特に学校から子どもの生活態度等について指摘されると食ってかかる。子どもの前で学校や担任の批判をする…。
 これでは自主性や耐性の高い子どもには育たない。 言われてみれば、もっともの話ですね。 朝起きられなくて遅刻したり、忘れ物をして恥ずかしい目にあうことが教育であって、それらの自己責任を親に押しつけて当たり散らす、それを「ごめんね」と謝る親。 これは、優しさでなくて自主性の芽を摘む行為ですね。 優しさと厳しさ・自己主張とわがまま、もう一度考えさせられた講義でした。
 「誰しも自分の子は可愛いもの、子どもに対する愛情についてもう一度考えてほしい」という言葉が印象に残りました。 
 今月は運動会を予定しています。 昨年雨にたたられましたので、日程を少し変えてみました。 学校等とのかね合いもあり日程調整には毎年苦労いたします。 保護者のみなさまには色々とご迷惑をおかけすると思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。