園長の部屋
令和 5年5
月 


手作り鯉のぼりを掲げるようになって何年だろう? 旧園舎の時だからもう20年は経ちますね。
今年も五月の空に各クラスの鯉のぼりが元気に泳いでます。

  

 

 随分暖かくなりました。 陽が落ちてからの空気も生暖かく夏の匂いを感じます。 まだまだ燻っていますがコロナも減って久々にゴールデンウイークで国内外の旅行が混雑しそうです。

 海外旅行といえば、30年以上前の話ですが、厚生省と日本財団が行っていた海外保育視察研修に応募し参加しました。 イタリア・フランス・ドイツを半月あまりをかけての保育施設の視察と研修で、それはとても貴重な体験でした。 
 当時と比べ現在は随分変化したでしょうが、それぞれの国の制度や保育園を視察して国民性を感じることが出来ました。
 
 イタリアの保育園では、子ども達は登園すると自分の好きな場所、工作・絵画・絵本。運動の部屋で過ごします。 個性を重視した幼児教育を行う方針で、工作や絵画はとても個性的な作品が出来ていました。
先生方の服装も個性的でとても幼児施設の職員と思えない服装に驚きましたし、夏は二ヶ月バカンスのため休園と聞いて更に驚きました。
 フランスでは、パリ近郊の市で公営・私営・地域団体立の各保育施設を視察しました。 日本から保育視察団が来るということで、市長が昼食会を開催し招かれました。とても大きく豪勢なフルーツケーキも提供していただきましたが、とてもとても酸っぱかった記憶があります。

 流石美食の国と言われるフランスの保育施設の給食は、メイン料理が二種類からどちらか好きな料理を選択でき、デザートも付いて…。 今でこそ保育園の給食も充実して来ましたが、大変驚きました。 
 国会で給食費の無償化が検討されていますが、現在も認可保育園では、三歳以上児の昼食は副菜のみ提供が国が定めた基準です。 これは戦後の混乱期に保育園でお米の大量確保が難しい状態だった名残です。
 視察の影響を受けて、向洋でも主食の提供を行って、カレーライスや焼き飯等のメニューの充実を行おうと検討しましたが、(カレーの献立なのに炊き込みご飯がお弁当箱に入っていたり、焼き飯は主食提供になるから認められない等)行政の指導があってやっと八年後の97年から三歳以上児にも主食提供を始めました。 当時全国的にも先進の取り組みだったと自負しています。

 ドイツは日本と似た雰囲気の保育園でしたが、日曜日は商店はお休み。日曜日は展示しているお店の商品を見ておいて平日に購入するという(ウインドウショッピング)には戸惑いました。 そして、数日前から不穏なニュースは流れていましたが、ドイツ滞在中に民衆がベルリンの壁を壊して越境という報道があり歴史の一ページも体験しました。
 ソ連はまだ健在で、スパイ防止のためソ連空域内は飛行機の窓をカーテンで閉じてました。 また、寒さ対策でホッカイロを持っていたら空港で金属探知器にかかって別室に連れて行かれ「これは何か
?」と… 日本人って困ると苦笑いしますよね。 それが一層不審に見えたようです。 コロナ制限が無くなったら向洋の職員もいろんな場所の研修に参加させ見識を広げてもらいたいと思っています。
   
 年間で一番季候の良いこの時期、元気いっぱい過ごせますように。